介護職のコミュニケーション技術

介護の現場では、対象の方やその家族や周りにいる人々とコミュニケーションを図る必要があります。では、実際そのような場面になった時にどのようにコミュニケーションをとればいいのか?悩んでしまうのでないでしょうか。今回は実際にコミュニケーションをとる上で身に着けておくべきことを紹介していきます。

介護職がコミュニケーションを学ぶ意味

私たちは日頃より様々な手法で日々他者とコミュニケーションをとっています。しかし、介護を必要とする方の中には、何らかのコミュニケーション障害があり、自分の思いや考えをスムーズに相手に伝えることが難しい方もいらっしゃいます。したがって、介護職は様々なコミュニケーション障害のある方に対し、「どのようにコミュニケーションをとっていくのか?」を学ぶ必要があるのです

効果的なコミュニケーションの基本

  1. 自分自身を見直し「自分」を理解する
  2. 相手に「伝えたいこと」をハッキリさせる
  3. 「相手のペース」に合わせて
  4. 相手の思いを「聴く姿勢」と「技」を高める
  5. 自分の「感情」に気づき、それを認める
  6. 「共感」の応答
  7. 「質問の技法」と「役割」を学ぶ

環境を考える

送り手・受け手双方のメッセージを成立させる背景にある要素を総称して「環境」と呼びます。

・年齢・性別・個人的な価値観・専門職としての価値観

・人生観・人間観・性格・他者認知・言語

・生活歴・職業歴・生きがい・宗教・自己概念・家族歴

雑音を考える

①物理的雑音:大きな音・耳障りな音不快な温度・空気・におい・光

②身体的雑音:様々な障害・補聴器などの不具合

③心理的雑音:防衛機制

④社会的雑音:偏見や誤解にもとづく先入観

相手にものを伝える

言語的チャンネル:話しことば・書きことば

非言語的チャンネル:ジェスチャー•表情•声の調子(抑揚)•身体的接触•服装や髪型•香り

聴くことの4つの側面

  1. ものの見方
  2. 経験
  3. 感情
  4. 行動

利用者の思い・変化

  • 利用者自身の変化
  • 利用者を取り巻く環境の変化
  • 利用者の家族関係の変化

利用者とのコミュニケーション方法

  • 共感をする
  • 人間関係の活用
  • 自己決定を尊重する
  • ストレングスの活用

家族の思いを知る

  • 家族は状態や状況を「正確」に理解しているか?
  • 家族の価値観で利用者のことを考えていないか?
  • 家族の利益を第一に考えていないか?

家族とのコミュニケーション方法

  • 信頼関係をつくる
  • 自分の価値観で家族の意向を判断し、非難しない
  • バイスッテクの7原則

まとめ

他者とのコミュニケーションは難しい。様々な影響があり、自身の思いや考えが伝わらないことがある。また、逆も同じように他者の思いや考えをくみ取れずコミュニケーションがうまく出来なかったこともある。コミュニケーションの手法や環境などを考え、他者を思いやる気持ちことが一番大切なのです。